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CCC展覧会企画公募 NCC 2016 第8回 入賞展覧会企画 :「ガンマ」

若手の展覧会企画者を対象としたCCC(静岡市クリエーター支援センター)の支援プログラムである「New Creators Competition 2016 展覧会企画公募」において、多数のご応募をいただきました。厳正なる選考の結果選出された2組の企画者による展示を同時開催致します。これら2組の若いアーティストが表現する、現代の感性をぜひご体感ください。

NCC 2016 展覧会企画公募 EXHIBITIONS
□新宅睦仁「コンビニ弁当の山」
□大門光「ガンマ」

■ 会 期:2016年1月12日(火)ー 2月13日(土)(日・祝日休み)
■ 時 間:10:00-20:30
■ 会 場:静岡市クリエーター支援センター 2F・3F
■ 入場料:無料
■ 主 催:静岡市クリエーター支援センター
■ 共 催:NPO法人 しずおかコンテンツバレー 推進コンソーシアム(SCV)
■ 審査員:しりあがり寿(漫画家)
     五十嵐太郎(建築評論家・建築史家)
     小崎哲哉(『REALTOKYO』『REALKYOTO』発行人兼編集長))
     久米英之(CCCプロデューサー)
     大森久美(CCCキュレーター)

『ガンマ』
企画者:大門 光(東京)

どのコマから読み始め、次はどの台詞を読むのか。漫画を読む為には訓練がいる。 誰も教えてくれないが皆漫画を繰り返し自分の体に刷り込み、そこに内在するルールを習得していく。 漫画を「読んで」いるとき、いくつものルールによって漫画は漫画足り得ているが「読む」ことをやめた途端、 ルールは機能を停止し石ころのように形だけになってしまう。 わたしは意味を失ったそれらをいくつか拾い、川で水切りをする。或いは家に着くまでの道すがらそれを延々蹴りながら帰ったり、アスファルトに線を描いてみたりする。そうするとルールは再び世界を世界足らしめる。 それならば、見える形は違えどきっとこれも漫画なのだ。 (大門 光)

企画者プロフィール
大門 光(だいもん ひかり)

1987年東京都出身
第7回グラフィック「1_WALL」グランプリ受賞(2012)、拡散するグラフィック展(2015)、シブカル祭。2015(2015)など。

審査員講評

■ 『ガンマ』について

漫画の絵はボクにはまだまだよくわからない。ディズニーから手塚治虫から萌えからこの先どちらに進化?してゆくのか?そもそも「絵柄」って何だろう?物語から切り離された抜け殻のような絵はどんな美しさを持つのか?まぁとりあえず描いてバラバラにして飾って…とかいろいろやってみるんだろうなー。とりあえずその先に何かがあると信じて「これなんかいいじゃん!」と思えるものを目指してがんばって欲しいです。 。(しりあがり寿/漫画家)

大門も自分の手でマンガを描くという行為を継続するなかで作品を展開し、その人だけが抱えているある種の切実さが感じられた。ただし、マンガの最大の特徴であるキャラ的な描写や(映画の影響を受けた)コマ割りなどについては、すでに相当数の理論的な研究が存在するが、おそらく大門は参照せず、自己流で追求している。もっとも、勉強すれば、いい作品ができるわけでもないのが、悩ましいところだ。またマンガの線を流用したり、つなぐタイプのアートも、それこそポストモダン以降、現代に至るまで試みられた。批評する立場からは、今度の展示が、こうした既存の作品との明快な違いをはっきりと言語化できるような新作が登場する機会になれば、嬉しく思う。 。(五十嵐太郎/建築評論家・建築史家)

少女漫画の形態素解析的試み。「的」「試み」だから、もちろん自然言語の形態素解析とは相当に異なり、荒く、粗く、恣意的だ。でも、そこが面白い(かもしれない)。普通、この手の解析は、漫画家を志す人であれば、先人の模倣をしながら無意識的に行っている。大学のマンガ学科や専門学校では、「解析」「分析」と呼んでいるかどうかはさておき、物語の構造分析とともに、文体・技法分析を具体的かつシステマティックに教えているはずだ。ただ、その際には分析自体は目的ではなく、作品というアウトプットに役立てるための手段であることがほとんど。途中経過を展覧会として見せるのは禁じ手だとも思える。でも、そこが面白い(かもしれない)。(小崎哲哉/『REAL TOKYO』『 REAL KYOTO』発行人兼編集長)

■ NCC2016 総評

CCCで皆の作品を見るのは楽しい。みんなあれこれと工夫してはよくわからないものを考えてくる。ホントに人間てのは次から次へヘンなモノもの作るもんだと感心する。でも何でも作ればいいってもんでもない気もする。テキトーは悪いことだと思わないけど、物足りなさを感じることはある。今回ももっと詰められないかなー?みたいのが多かった。バカみたいに悩んでそのあげくパッと咲いたようなものをもっと見たかったです。(しりあがり寿/漫画家)

CCCの公募も回数を重ね、これまでの受賞者のその後の活動を、そろそろ総覧するような機会があっても良いのではないかと思うようになった。選んだアーティストの活躍によって、審査員の目も試されるからである。さて、今回、応募してきた作品は、昨年と比べると、全体的にややもの足りない。ここでは、ぎりぎりで落ちた榊原太朗氏のプランに言及したい。現在は日本各地で活動する静岡出身の若手アーティストのグループ展である。様々な作風なので、テーマで統一するのは難しいが、単に近作紹介をするのではなく、これを契機とするマニフェスト的なものが欲しかった。今回は落ちた他の応募者も含めて、アイデアをブラッシュアップして、是非、再チャレンジを期待したい。(五十嵐太郎/建築評論家・建築史家)

現代アートは以下の3要素で評価される。1)視覚・聴覚など感覚への訴求力。2)作品に込められた意味や思想。3)1と2、特に2の重層性。それぞれ「感覚的インパクト」「コンセプト」「レイヤー」と言い換えられるだろう。「ガワ」と「中身」と「深み」と言ってもよい。キュレーションも同様だ。ただ並べればいいというものじゃない。1と2と3をきちんと盛り込むこと。さらに欲を言えば、なるべくわかりやすく、楽しく、観た人がそれについて話したくなるように。井上ひさしさんの言葉を借りれば「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをゆかいに、ゆかいなことをまじめに」。簡単ではないけれど、不可能ではない。(小崎哲哉/『REAL TOKYO』『 REAL KYOTO』発行人兼編集長)

■お問合せ

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