#30美術家・フォトグラファー
鈴木諒一

窓辺でゆれる書物のページ、光線の中に浮かぶチリ
主に自室で撮影する写真や映像、文章を用いた美術作品を発表しています。
また、フォトグラファーとして写真・映像の撮影・編集を手掛けるほか、子供向けワークショップの講師や、公共施設とのアートプロジェクトの共作なども行ってきました。
撮影の内容は、主に静物のイメージショットやYoutube・リール動画等の撮影・編集などです。近年は、特に古美術品(日本や中国の陶磁器や漆器、染織など)の写真や映像の撮影・編集をメインに行っています。


主に自宅の部屋の中で撮影した写真や映像を用いた作品を制作しています。
被写体は、書物のページや切り花、窓からのぞく雲などです。特別に手を加えてイメージを作り出すことはせず、自然光のもとで時間とともに変化する光や風の動きがもたらす出来事を、カメラのレンズを通してとらえています。
自室にとどまっての撮影というと、一見私的でナイーブなものに思われるかもしれませんが、わたしにとっては明確な方法論です。ひとつの装置としての「部屋」を考えること、つまりカメラの語源であり、ラテン語で「暗い部屋」を意味するカメラ・オブスクラに通じるような光学装置を模したものとして、また同時にモノクロ写真の暗室作業のように、暗闇の中で密やかに像を浮かび上がらせる一種の手順として、部屋をとらえています。
わたしにとっての最初の映像的な問いは、幼い頃に目にした、映写機の放つ映画の光でした。おそらく、ここ七軒町の映画館で、後方の映写機からスクリーンに向かって放たれた光線の中に、無数のチリが浮かんでいるのを見て、浮遊するチリもまた画面に映り込んで、「映画」に成っているのだろうかと不思議に思いました。そして、チリの量や流れによって、人々に見られる映画そのものも、毎回わずかに異なっているのではないかと想像したのです。
書物のページを撮影しはじめたのも、それが闇の中で光を受けて像を結ぶ存在であること、そして人の「読むもの」それ自体が、さまざまな要因によって変わり続けるという点に惹かれたからでした。
今回の展示が、映写機の光の中を浮遊するチリのように、ものごとのあいだに漂うあいまいなものを予感させる空間になれば嬉しいです。
経歴 1988 静岡市生まれ 2011 多摩美術大学芸術学科卒業 2013 東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了 主な展示 2012 「EMON Portfolio Review 第1回グランプリ受賞展「郵便機」」エモン・フォトギャラリー、東京 「Guimarães noc noc 2」 ギマランイス、ポルトガル 2013 個展「観光」 エモン・フォトギャラリー、東京 個展「リバー・フィールド」 artdish、東京 2014 個展「圏内」 undō 、東京 「Artist Book 旅をよむ」アキバタマビ21、東京 2017「ジャストライト」アキバタマビ21、東京 2018「第6回めぐるりアート静岡 2018」静岡県立美術館、静岡 2019「VOCA展 2019」上野の森美術館、東京 2021「NITO 04」〜「NITO 08」アート/空家 二人、東京 「写真展「飛田英夫+鈴木諒一」」OGU MAG+、東京 受賞歴 「第5回東野芳明記念・芸術学科優秀卒業論文賞 」
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