静岡市文化・クリエイティブ産業振興センター(CCC)

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Creator’s Reportクリエーターズリポート

#34アーティスト
渡辺忠典

作品は道具である

道具は目的のための手段である

私にとって自分の作品は、ある性質を別のものに変換する装置であり、他者とのコミュニケーションという目的を持った道具です。
これらの道具性を持つ作品は身の回りにありふれている様々なものと同じ様に、生活やコミュニケーションを通して目的が絶えず変化していきます。カメラを使って友を撮るか、景色を撮るか、器を使って料理を振る舞うか、物を飾るか。道具は渡る人やその環境によって異なる目的を持ち、多面的な振る舞いをします。
一方で、美術展示においては、一般に展示物そのものが持つ場所性や機能性を喪失させます。保存や説明、展示室といった制度的・物理的な制約によって、その物が置かれた本来の空間や時間から切り離されたものとなります。
私が言いたいのは、物は元の環境にあるべきであるとか、会場での再現を必要とするといった話ではありません。展示には展示としての価値があります。展示による場所性や機能性の喪失を、喪失ではなく1つの変化と捉えることで、作品を膠着させずに生きた状態を展示することができるのではないかと考えます。
自身の作品が、環境や他者との関係の中で、目的や価値が変化していくのを受け入れる
とともに、展示という形態の可能性を探って行きたいと思います。

Creator’s Introduce
アーティスト
渡辺忠典

静岡県静岡市出身。 音や映像を用いた道具や装置といった形式の作品を制作。 静岡県立清水南高校美術科卒業。東京藝術大学絵画科油画専攻卒業。同大学院修士課程 壁画第2研究室在籍。 企画展「●REC」(2024) グループ展「音はいつ、音になる?」(2025) 2025年 O氏記念賞受賞 第30回 日本文化藝術奨学生

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