静岡市文化・クリエイティブ産業振興センター(CCC)

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Creative NOWアートな世界

アートを担うクリエーターたちは
何を思い、何を目指しているのか。

CCCセンター長 池田恵一

CCCは静岡の人々の生活の中に、デザインやアートの感覚を取り入れてほしいと願っている。いや、身近にあるデザインやアートの美しさに気付いてほしい。そんな思いがある。

気候温暖、風光明媚な静岡は豊かな自然や産業に恵まれ、何の意識も持たないままに日常の生活を送ることができる。富士山も駿河湾も当たり前の風景である。

しかし、冬の晴れた日、新幹線の車窓から富士山が見えた時、車内には驚きの声が上がる。静岡の当たり前の風景は、実は非常に価値あるものなのである。
でも、静岡市民にその感覚はあまりない。当たり前の美しさが見えていないようだ。

コロナ禍は人々の働き方を変え、生き方を変え、常識を変えた。そして、エッセンシャルワーカーの存在が再認識された。医療従事者だけでなく、日々の生活に欠かせないスーパーやコンビニの店員、バスの運転手など緊急事態宣言下でも仕事をストップできない人たちである。平常時には当たり前の風景がコロナ禍で初めて浮き彫りになって見えてきた。

ドイツのメルケル首相は「文化は危機の時こそ必要だ」と言っているが、クリエーターもエッセンシャルワーカーである。「人はパンのみにて生くるにあらず」人は物質的な目的だけで生きているのではなく、精神的な満足感がないと充実した人生は送れない。感激や感動で心揺さぶられる、そんな豊かな人生を演出するのになくてはならないのがアートな感覚である。

人々の生活に欠かせないエンターテイメントやアートの世界はいまどうなっているのか。アートを担うクリエーターたちは何を思い、何を目指しているのか。そんなクリエイティブの最前線を報告するのが「クリエイティブNOW」である。
CCCに所属するクリエーターたちがそれぞれの分野での最新情報や思いを分かりやすくエッセイとしてお届けする。普段は目に見えない、気付かないアートの世界が見えてくることを期待したい。そして市民の皆様がささやかでも心豊かな人生を歩んでくれることを願っている。

CCCセンター長 池田恵一

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