静岡市文化・クリエイティブ産業振興センター(CCC)

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Creative NOWNFTアート デジタルと現実の間をつくる

“NFTという技術を利用したデジタルアート作品に対する私の考え方”

CCC HUB登録クリエーター NY_

最近、NFTやメタバースを利用したクリエイティブ作品、ビジネスの話をよく見聞きするようになってきました。
NFTとは、簡単に説明しますとデジタルコンテンツにWEB上で紐付く、
制作者、購入者等を表記できるプログラムの事です。

そして一般的には、そのNFTがデジタルアート作品に紐付いていると、それをNFTアートと呼んでいます。
デジタルアート作品がコピーされることなく、唯一無二の作品として存在することになります。

私はアニメや映画予告の監督でしたが、同時に2012年頃からメディアアートを制作し始め、在シンガポール日本大使館”JCC”での展示など、海外での展示をしてきました。
当時としては世界初の「動く墨絵」の技術に観客から驚きの声を多く聞きましたが、データ保護の面でなかなか販売は厳しいものでした。

そんな中、2021年の4月からその作品をNFT化し始めると、購入者の不安材料が消えたのか、急に順調に販売が進むようになり、今では予約販売は1年待ちの状態で、百貨店での個展や世界最大のカンファレンス「NFT.NYC」での作品展示をタイムズスクエアで展開するなど、かなり多くの方々に認識して頂けるようになりました。

※NFT.NYC タイムズスクエア展示作品

サラっと書きましたが、実はこのデジタル作品というものは、コピーされやすく、権利表記が難しい、世界中のデジタル作家が展開に苦しんでいた難しいジャンルでした。
これを瞬く間に解決したNFTという最新の技術は、多くの作家を救う事ができた本当に素晴らしい技術であり、今でも私は感謝に近い感情を持っています。
そして、この技術のベースにはブロックチェーンというネットワーク技術が存在しており、その技術はメタバース(仮想空間)上のビジネスを可能にし、非接触型のビジネスとして更なる展開を見せようとしています。
実際にメタバースでのショップ展開やNFTアート展示会など世界中で数多く展開され、販売、転売も行われているので、今の世の中ではますます大きな流れになる可能性を秘めています。

ただ、ここまで素晴らしいNFTの説明致しましたが、忘れてはならないのは、NFTはただの技術だと言う事です。
その技術を利用してアートを作るのか、ビジネスをするのかはその人次第ですし、その完成度もその人次第です。
今も昔も作品の完成度は技術だけではなく、作り手自身の思考や意思、生き方にかかっているのではないでしょうか。

私はデジタル作品に対してある特殊なアプローチを長年とってきました。
それは作品をPC内で表示するだけでなく、オリジナル表示システムや、特殊な額縁装置を開発して、現実の世界(リアル)にデジタル(手で触れないもの)を恒久的に存在させる。展示するという事です。

リアルとデジタル。両方の世界を結びつける活動や作品はますます増えると思いますし、まさにこれからはそんな時代が到来すると考えています。
これからも私は、一時的な存在でしかない"動画"に、”物体”としての存在価値を与え、現実とデジタルの境界線をぼかす、
新しい価値の創造に挑戦し続けていこうと思っています。

アーティスト/NY_

<このコーナーは個人の見解リポートです>

※画像 上から

・販売サイト_MakersPlace
・hope_Ⅱ
・light_005
・NFT.NYCタイムズスクエア展示
・メタバース1
・メタバース2
・trajectory_Ⅲ
・松坂屋静岡個展
・light_003



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